本とクラシック

読書記録を兼ねた書評録です。

黒死館殺人事件/小栗 虫太郎

210冊目
2019/11/26 読了
評価2 ★★☆☆☆

黒死館殺人事件 (河出文庫)

黒死館殺人事件 (河出文庫)


日本三大奇書のひとつ。
夢野久作氏の夢野久作 ドグラ・マグラ 上下巻セット (角川文庫)中井英夫氏の新装版 虚無への供物 上・下巻セット、そして小栗虫太郎氏による本作である。
単純に『奇書』と呼ばれる所以が気になったのと、先日読み終えた綾辻行人氏の奇面館の殺人 (講談社ノベルス)に、自称・降矢木算哲の生まれ変わりというオッパッピーな登場人物がいたので、元ネタが読んでみたくなったという理由もある。

本作は、黒死館の当主である降矢木算哲が自殺し、屋敷の住人たちを次々と奇怪な殺人事件が襲う…というストーリー。検事の支倉(はぜくら)からの要請を受けて、刑事弁護士の法水(のりみず)が事件現場へ赴く。
法水がホームズだとしたら、支倉はワトソンといった立ち位置かな。
裏表紙のあらすじには『奇々怪々な殺人事件の謎に、法水麟太郎がエンサイクロペディックな学識を駆使して挑む』と書いてある。エンサイクロペディックなんて見たことない横文字で書かれると読む前から尻込みしてしまいそうだけど、つまり百科事典ばりの頭脳で謎解くよ~という意味らしい。

「青酸加里なんて、小学生の昆虫採集箱の中にもある」というセリフがある。
調べてみたところ、昭和初期くらいの時代は子ども向けの昆虫採集セットには青酸カリが本当に入ってたらしい。
覚醒剤が普通に市販で買えた時代だし、なんでもありの時代 。恐ろしい。

手書きの文字がちょっとかわいいと思った。
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『魁異』と書いて『グロテスケリ』と読ませるのがおもしろいと思った。グロテスクなり(コロ助かな?)→略してグロテスケリ?わからないけど。
あと『超頂点』と書いて『ウルトラ・クライマックス』と読ませるのもなかなか乙だと思った。

『痩せぎす』という言葉。
綾辻行人氏のびっくり館の殺人 (講談社文庫)でもこの言葉が出てきて (『痩せすぎ』の間違いでは?と思って調べてみたら、ちゃんと辞書にも載っている言葉だったので驚いた) 綾辻氏はここから引用したんだなぁと思った。

難解すぎて外国語の本を読んでいるみたいだった。文字を追うので精一杯。500ページ以上あり、ほとんど改行が無いのもまた読みにくい。読み終わるのに2週間以上もかかってしまった。
読むの挫折する人が多いらしいので、何としても読み切ってやろうという意地で一語一語頑張って読んではみたけど、私にはちょっと早かったみたい( ̄▽ ̄;)
漫画版の黒死館殺人事件 ─まんがで読破─も並行して読めば理解しやすい……と言いたいところだけど、そんなことなかった笑

奇書と呼ばれる所以は結局よくわからなかったけど、本当に難解で読みにくいので、途中で川とかにぶん投げたくなることはあった。そういう意味で『読むと気が狂う』ということで奇書認定されているなら、やっぱり本作は奇書なんだと思う。

愛好者も多い不朽の名作。だけど私には難しすぎたので、正直に評価は★2です。